箭内道彦@西校舎

オープンゼミを見に行ったら、ちょうど6時から講演会をやるというので、見てきた。やるのは知ってたけど、ちょうどオープンゼミの日と重なるなんてラッキー。


箭内道彦講演会<風とKEIO>

風とロックの人。なんだけど、今回は広告業の第一人者としての講演。

「何を話したらいいかわからない。」「とりあえず、エンジンがかかるまでは僕の作ったCMとかを見て貰いますか。」ということで、UNO(資生堂)、PHOTO IS(FUJIFILM)、TOKYO HEART(東京メトロ)を見せられる。
箭内さんが作るCMには、コレといった共通点はなく、その統一感の無さが自分自身でも気に入っているらしい。クライアントから頼まれれば、それに合わせて作風も変えられるということ。でも、そのなかで、一つ共通項をあげるとすると、「ドキュメンタリー」的な撮り方をするというのがあるとのこと。
普通、CMは「配役」があって、それを出演者が演じるのだけど、箭内さんの場合は、普段やっている生の姿を撮ろうとする。例えば、YUKIの「歓びの種」のCMを作るときには、その歌詞を覚えてもらってそれを暗唱するっていうのをやったんだけど、それは練習もなし、カンペもなしで、一発勝負。それでこそ伝わる必死さのようなものがあって面白いんじゃないかと考えた、とのこと。

講演の最後に言ってた、「成りたい職業より、やりたいこと」っていうのが、箭内さんの姿勢を物語っている気がする。例えば、広告業界に就職するとして、そこで仕事をしていて「何をしたかったのか、したいのか」を常に持っているってこと。「世の中をビックリさせたい」というのなら、世の中をビックリさせ続ければいい。
箭内さんは、最初は面白いものを作りたいと思ってた。そこから考えが発展して、ここ数年は、「世の中に何か影響を耐えられるもの」を作りたいと考えているらしい。その過程で作られたCMを見せてもらった。CMというか、ミュージックビデオ。ロンブーのあつしがボーカルのビジュアルロックバンドのPV。内容は、ここじゃちょっと書けない。お蔵入りになってて、初めて一般人に対して公開してくれたそう。このPVは、もし公開されたら騒然とするんだろうな。そういう、賛否両論というか、反対意見が出るのを覚悟した上で、作成したそう。
自分が「やりたいこと」を、今なお一線でやり続けているんだなと思うと、箭内さんがとても大きく見えた。


箭内さんが手がけたPVもいくつか披露してくれた。
サンボマスターの光のロック。安めぐみが抜擢された件についての裏話も。山口と安めぐみが入れ替わるPVなんだけど、この案が出た時から山口は大興奮だったのだけど、入れ替わるから、共演できるのは木内と近藤さんだけ。それに山口は撮影当日まで気付かなくて、共演できなかったことについて文句言ってたらしい。てか、今もまだ言ってるらしい。
風味堂のメリークリスマス。公募した1組のカップルを1年間にわたって撮り続けていて(今も継続中)今月の25日に完成するそう。もし万が一別れちゃったりしたらどうしようとか、色んな不安があった中で、一年間、順調に撮影は進んだ。その途中で二人に子どももできたり。そんな話を聞かされてから見ると、グッときてしまった。もうあそこまでいくと、PVっていうより、映像作品で風味堂がBGMなんじゃないかと錯覚してしまった。


最初は「美大なら映像について話すんだけど、何を話したらいいのか」と言ってたけど、後半あたりから箭内さんの喋りもエンジンがかかってきたようで、色々とここじゃ書けないような話も聞けた(笑)


最後に、司会の方から「今の大学生に足りてないものは何だと思いますか?」の問いに、
「え、なんだろうね。(席に一人だけいた金髪の人を見て)金髪かな(笑)なんて答えるのが正しいの?情熱とか?いや、でも、いろんな人がいて、いいと思いますよ。金髪が足らないね。」とのこと。