らくご演劇@紀伊国屋ホール

立川志らくさんのらくご演劇を見た。
第一部が鉄拐の本編。第二部が鉄拐を題材にした芝居。という二部構成の実験的な舞台。
第一部の落語自体も面白く、それだけでも一つの演目として当然成立するわけだけど、それをこのような形で演じることによってまた違った魅力を生み出してて、すげーなーと思った。
第一部。鉄拐は初めて聞く演目だったので、談志と志らくがどう違うかなんて本格的な感想は言えませんですけど、面白かったです。志らく自身もマイナーな演目だと言ってたから、きっとこの演目を選んだのも、初見の人の前でらくご演劇っていう実験をやってみたかったという確信犯なんだろうな。
一応は落とし話。また、舞台が中国だったり仙人が主要人物だったりで、普通の落語とは違った雰囲気。なのだけど、まぎれもなく落語なので普通に楽しめました。
第二部。鉄拐の後日談という形での創作ストーリー。これもこれでよくできてて面白かった。
このらくご演劇って試みが面白いのは、落語と芝居の両方が独立してエンターテインメントとして成立してる上に、そのお互いがストーリーの関連性を持つことでお互いの世界を深め合ってるところじゃないかな。少なくとも、素人ながらにだけど、二部を見てからは一部の世界を見るときにもう二部でのエピソード抜きでは見れないだろうし、そういうインパクトは間違いなくあった。
落語本編を壊さないようにストーリーを作らなくちゃいけないから、もちろん演目への理解というか愛着がなかったら絶対出来ないよなあって考えれば、おそらく二部を作る過程で落語自体もかなり洗練されたものになったんじゃないだろうか。(あら、偉そうなものいい)落語を深めれば芝居にも深みが出て、芝居を練れば落語も良くなる。僕が見たのは楽日だったのだけど、初日とどんな風に変わってるのかもちょっと気になったよ。


物珍しさもあったけど、純粋に面白かったので、またあったら行きたいな。